国際学会のポスター制作に大成功するコツ(テンプレあり)

どうもこんにちは。建築系の大学院生です。

国際学会でポスター発表を予定している方に向けて、記事を作成しました。

私は2019年の7月にオーストラリアの国際学会でポスター研究発表で参加しました。

その準備段階で、国際学会用ポスターの作り方をWebで検索しても参考にするものがなく、非常に困りました。

なので今回、私の経験をもとにみなさんに情報を共有しようと思います。

というわけで、はじめに私が作成したポスターをこちらに添付しておきます。

実際に私が使用したA0サイズのポスターになります。

どうでしょうか。みなさんの参考になりそうでしょうか。

今回は、私のポスターに足りなかったこと、反省点も踏まえて、記事を作成しております。 それでは、本題に入って行きたいと思います。

  • ポスター作成のコツ
  • 自家製ポスターテンプレート3種
  • 私が犯した重大なミス

ポスター作成のコツ

ポスター作成に関することを9つ紹介いたします。国内学会で発表する方も参考になると思います。

構成について

はじめに、ポスターの基本的な構成について説明されている、こちらをご覧になってください。

京都大学より
http://k-connex.kyoto-u.ac.jp/ja/wp-content/uploads/sites/2/2016/07/160711-posterseminar-pub.pdf

上記サイトには、ポスター発表と口頭発表の違いや、ポスター作成の簡単な注意点が記載されています。

title, introduction, methods, results, (discussion), conclusion, references で、構成されているポスターが多かったです(言うまでもないですが、、)。

使用するソフト

ポスター作成ソフトは、マイクロソフトPowerPointで作成します。

グラフについては、アドビのフォトショップやイラストレーターを使ってインフォグラフィクスを作成すると仕上がりが非常に良くなります(アドビ製品を使いなれていない方は無理して作成する必要ありません)。

インフォグラフィックス(infographics)とは、データを視覚的に分かりやすいかたちで表現したものです。

information+graphicsという意味の造語で、一般的には情報を図形化したものとなります。近年、論文発表の際、お堅いグラフで見せるより、誰でも理解できるようにデザインする能力が求められているので、余力のある方は挑戦してください。

インフォグラフィクスについて以下参照

おしゃれなデザインは必要ではない

学会のポスター発表において、おしゃれさや可愛いさなど、個々のデザインセンスはほとんど重要ではありません。

センスによるデザインではなく、理論的なデザイン、つまりデザインのルールに則って作成していくだけです。

とはいえ、個性やセンスはあったほうがいいんでしょ?という声が聞こえてきそうですが、ルールに従って数回のデザイントライアンドエラーをすれば、あなた自身にとって満足できるデザインが完成するでしょう。

 では、そのルールについて次項話して行きましょう。

デザインの4つの基本原則

はい。題名どおり、デザインには4つの基本原則があり、WEBサイトや名刺、広告など日常のあらゆる場面で用いられています。

基本原則は、近接、整列、反復、コントラストの4つであります。聞きなれない言葉かもしれませんが、全く難しいくないので心配無用です。笑

4つの基本原則を簡単に説明すると、近接:「関係性のあるものは近くに配置する」、整列:「見えない線を意識する」、反復:「繰り返しによる統一性、グループ感」、コントラスト:「フォントサイズやカラーでメリハリをつけること」という感じです。

こちらのサイトで簡単に説明されていますので、参考にしてください。

てくだ 以上の4つを意識して、デザインすることでスタイリッシュで、誰もが見やすい作品になります。

さらにポスターの際には、聴衆がどの順番でポスターを見ればいいのかが、誰でもわかるように配置するとなお良い仕上がりになります。

また言わずもがなと思いますが、自分が発表しやすい構成にすることも重要であります。

1つのベースカラーで仕上げる

というのも、白背景に黒文字という遠くからでも近くからでも見やすいカラーにすると、必然的にベースは白になります。

また、ベースカラーについては、それぞれの個性や印象を出すため、コントラストを作り反復を一目でわかるように用いるのが目的なので、好きな色でいいと思います。

アクセントカラーに関しては、必要ありません。 猛アピールしたい部分は、フォントを太字にするのが最もスマートで十分です。もし、すごく強調したい部分があるなら、メインカラーの彩度や明度を変えたものにしましょう。

白色と、好きな色のグラデーションで構成されるポスターは、統一感が出てかつ、見やすくスマートです。

文字と図のバランス

文字と図のバランスですが、最も分かりやすく多くの情報を伝えれるのは、図のみで構成されるポスターであります(ポスター賞のとられた方は、9割ほど図でした)。

しかし、これには多くの問題が存在します。

例えば、ポスター発表時には、常にポスターの前に立っているとは限りませんし、質問時に一対一で話す機会もあります。

そのような状況の時、説明なしでポスターだけを見ている人は、なんの研究をしているのか全くわからない場合があります。

また、英語が苦手な場合は、相手に伝えれない情報があるかもしれません。上記のことを考慮して、自分なりに文字と図のバランスを考えて見てください。

フォントの種類とサイズ

オススメのフォントは、Arialです。文字は両端揃えにすることで、「整列」がピタッと決まります。

文字サイズは、タイトル:40~80、サブタイトル:36~52、文章:20~32。 これらを目安にしていると間違いないです。最低サイズは、20で止めておくと良いかと思います。

所属のロゴをつける

私はポスター上部に設けました。 日本国旗と、所属のロゴ、関係者のロゴを配置しました。

海外のみなさんもロゴを設けていました。特に、注意深く見るわけではないですが、時々会話のネタになったりしますので、ぜひ付けて欲しいと思います。

印刷サイズで確認する

これが結構重要でして、PC画面で作成している時のイメージと印刷した時のイメージが結構異なります。

大きなサイズになればなるほど、イメージの相違が起こります。また、英語フォントは見慣れないかつ日本語フォントとはサイズが異なるので、文字サイズが適正なのか再確認する必要があります。

遠くから見た印象やインパクト、近くで見た際に読みやすいポスターになっているか意識することが重要です。

余白を意識する

余白がなく、ぎゅうぎゅうにコンテンツを詰め込んでいるデザインを時々見かけますが、想像以上に見にくくなっていることを自身で認識しましょう。

客観的に自作デザインを見ているつもりでも、自分が理解できているから詰めが甘くなっている可能性があります。

適切な余白を設けることで、情報伝達性や視線誘導、デザイン全体のレイアウトがかなり良くなります。 

自家製ポスターテンプレート3種

A0サイズポスターのテンプレを3種類作りましたので、皆様に配布いたします。PowerPointのガイド機能を使って、見えない線を引いているので、ご覧になってください。

また、ガイド線は自由に動かせるので気に食わないところは自分なりにアレンジしてください! 前項で記載したポスター作成のコツを意識して作成すれば、きっと素敵なポスターが仕上げると思います。

https://sora3.sakura.ne.jp/distribution/A0ポスターテンプレ1.pptx.zip
https://sora3.sakura.ne.jp/distribution/A0ポスターテンプレ2.pptx.zip
https://sora3.sakura.ne.jp/distribution/A0ポスターテンプレ3.pptx.zip

ご覧になっていただけるとわかると思いますが、結構簡単にフレキシブルに対応できるように、作成しています。

個人のアレンジとしては、カラーの変更、文字サイズの変更、それぞれのセクションの配分などです。。 

私が犯した重大なミス

なんと…私が参加した国際会議のポスター発表は横向き書式と指定されていたにも関わらず縦向きポスターを作成してしまったのです…

募集要項にあまり目を通りしていなかった自分が悪いのですが、間違いに気がついた際には、すでに日本を離陸しており、めちゃくちゃ焦りました。。 

当日、恐る恐るポスター会場に行くと、なんと半数以上の発表者が縦向きポスターでした… 「おお、良かった。。これが海外か… 」 と思い、すごく安心しましたね。笑

さて、こんなミスをした原因の1つは、横向きの英語を知らなかったことです! 皆さん、ご存知でしょうか。 

書式詳細説明に「Landscape」と記載されている場合は、横向き書式で作成してください! 常識かもしれませんが、私は知らなかったので共有しておきます。 また、私と同じように気がつくのが遅かった!という方も心配ありません。笑 みんな自由な書式で作成してくるでしょう(確証はありません)。笑

最後までありがとうございます! もし気に入っていただけた方、ポスターに対する苦情や、改善点などございましたら、お問い合わせ、Twitter等でコメントいただけると幸いです。

この記事を書いた人

kinoshita